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zoom RSS 鎌田敏夫 鴨下信一 『終着駅ートワイライトエクスプレスの恋』 中山美穂 佐藤浩市

<<   作成日時 : 2012/04/12 00:51   >>

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 『 終着駅ートワイライトエクスプレスの恋 』

ロマンス・ドラマ 92分 2012 日本 TBS


脚本     : 鎌田敏夫
演出     : 鴨下信一
プロデュース: 八木康夫 真木明

【出演】

中山美穂 佐藤浩市

中島ひろ子 濱田マリ 庄司永健 市川千恵子 木村翠 椎名泰三

協力:西日本旅客鉄道、JR西日本ロケーションサービス


「運命がね、会わせてはいけない人に会わせることがある。会わないといけない人に会わせることがある」
「俺は… どっちなんだ…」


*** 最初の展開 ***

大阪駅。
時空の広場で不倫相手の中山美穂を待つ佐藤浩市。
来なかったので仕方なく、
一人でトワイライトエクスプレスに乗車する。

一番最後の車両の最後尾の客室。ほぼガラス張り。
一番いい客室? スイートルーム?
にぽつんと一人の佐藤浩市。

次の新大阪に停車。中山美穂はやっぱり来ない。

京都も発車した。
やはり中山美穂は来ず。落胆する佐藤浩市。
がしばらくしてドアをノックする音。
そこに、息を切らせて立つ中山美穂。


*** 感想 ***

佐藤浩市と中山美穂は同級生。

学生時代から佐藤浩市は中山美穂が好きだった。
(中山美穂は不良たちの憧れの美少女)
が付き合うことはできなかった。

約十年後、
佐藤は結婚して子供もいる中山美穂を電話で呼び出す。
妻が出て行ったと涙ながらに報告。
一年後に中山美穂から連絡。二人の関係が始まった。

東京で始まった二人の関係は、
途中、夫の転勤で大阪に行った中山美穂を、
佐藤浩市が追いかけて関西に移住してなおも続いた。
(偶然の再会というカタチをとってます)

別れようとなんども試みたが別れられず、
佐藤浩市が父親のために転地するのを機に、別れると決めた。

最後の記念にしようと二人で豪華旅行に出た。

というかなり込み入った設定。

*
ほぼ二人きりの会話劇。
優しさと辛らつさを交えたセリフで
二人がとても複雑な心情にあることを伝えます。

不倫というよりも、単に別れがたい男女の心情ドラマ。
ずっと二人の心情を描いています。
よって不倫という言葉で視聴者が期待する場面は皆無。
期待すると、? となります。

前半、二人がどういう経過で現在に至ったか。
を説明するセリフを駆け足で。
イマイチ飲み込めませんでした 笑

しかし同時に、
お互いを深く理解し、信頼し、思い合っている。
というのは非常によくわかりました。

佐藤は中山美穂にとって裸の心で接することのできる唯一無二の人。
中山は佐藤浩市にとって守るべきたった一人の愛する人。
という感じです。

特に中山美穂のセリフがいい。
人間に対する洞察力というか… 女の優しさというか…
賢さというか… 強さというか…
そして
ほんとに可愛い。恋する女に年齢は関係なし。
ときに同調し、ときに受け入れ、受け流し、
ちょっとだけ挑発し、ちょっとだけ探りを入れ…
佐藤浩市をほんとに大事に扱っている 笑
この男が好きなんだなぁと思わせる。

いいセリフのオンパレード 笑

*
佐藤浩市は基本的に辛辣。

中山美穂を幸せにできるのは自分ではなく、
現在の御主人だと思っている。
そんな風に思う自信のない自分にうんざりもする。

続けていくと、いつか憎み合う日がくる…
そんな怖れもある。

だからこの旅を最後に別れようと決心した。
でも本心は好きだし別れたくない。
中山美穂は決心を揺るがすようなことばかり言う。
なのでますます辛辣になる。

相手のことを思い、相手の立場を思い、
いろいろ考えて不安に苛まれ、
自分の気持ちを抑えて、溢れて…
(鎌田敏夫本領発揮。痛々しいです)

ぐさっと来ることが四度か五度はあったか?
(ほんとはもっとあった 笑)

多少声を荒げますが、基本は喚かず騒がず。

好きだが、お互いの未来のために別れる。
そのための旅行なので、複雑な心境にならざるえない。

*
中山美穂は佐藤浩市を失いたくありません。
自分の気持ちに気づいています。
別れたくないという気持ちが家庭を思う気持ちを凌駕している。

中山美穂が待っているのは、
俺のところに来いという佐藤の一言。
しかし
彼女のすべてを引き受け幸せにできるという
自信が佐藤にはない。

もしいっしょになったら不幸にしてしまう、
と悲観的な未来像を描いている。

このまま幸せな家庭に返してあげた方が、
中山美穂にとってよいと考えています。

佐藤浩市が複雑な胸中を明かし、
後半に入ります。

*
それなりに人生経験を積んで、
他人の気持ちがわかるし重んじる。
思いあっていれば尚更。
だからどうにもこうにも歯切れが悪くなってしまう…

ちょっとしたきっかけで、それが、
抑えていた生の感情がせり上がってくる。

男は生真面目で、真剣になるほどうまくいかなくなる。空回りしてしまう。
女はそんな男の不器用さと優しさをいとおしく思う。

鎌田敏夫の世界です。

身につまされて痛々しくなる。

*
野沢尚と鶴橋康夫のコンビで作った単発もの
以来の最高得点ですね。
個人的に。

途中から中山美穂に同情? して、
彼女が泣くところで思わず涙ぐみました 笑
あんまり切なくて。

*
結果的に不倫に肯定的。
別れ難い男女の心情だけを追っている。

ということで、
他にないんじゃないでしょうか… こんなカタチ。

テレビドラマとは思えないツクリ(繊細な世界)でした。

明るいリビングで家族と一緒に見る作品ではないです。
CM抜いて一人でじっくり、
主人公たちの心情にそっと寄り添って鑑賞する。
そうしないと魅力半減どころか台無しになりますね。きっと。

テレビドラマでやっていいんですか? 笑

*
演出とカメラはそっと寄り添うような感じ。
丁寧で押し付けがましさまったくなし。

いい作品は小物が表情を見せる。

鞄とか、なんでもない文字とか、が、
演技しているように見える。

そう感じたところがいくつかあった。

音響? 効果音? めちゃくちゃ凝ってます。
車の走り去る音、風の音、波の音、ガヤ、
心地よく入って心地よく出ていきます。
音量も最適ですね。
感心した。

総じて、
リリシズムを感じる次元にきています。

降旗康男とか、ルコントとか、ルイマルとか…
映像ほかに拘りのある方々の名前が浮かんできました。

ほんとに丁寧。

*
佐藤浩市
うまくてあたりまえ。これぐらいできてあたりまえ。
でもやっぱりいいな。
同世代に佐藤浩市と役所広司がいてよかった 笑
不器用ながら一生懸命。の役柄は真骨頂ですね。
こういう役は難しいかも。
普通の男の恋する気持ちを普通に演じる。わけだから。
誰も死なないし大きな事件もないし、
気持ちの見せ方だけが勝負ですから。
大仰だと陳腐になるし、
あんまり普通だとわからないし。
いい感じでした。

中山美穂
複雑な心境の人物を巧く表現していた。
綺麗。魅力的な人間に見えた。

スペシャルドラマ。しかも十年ぶり。
無駄な力みが入るのが普通。
それが微塵もなかった。

肝が据わってる 笑

佐藤浩市のお手の物演技に、
まったく負けてない。

重責を見事に果たしてた。
名前のある人ってやっぱりスゴいんだなぁと感心した。

頭の中にある中山美穂像が二倍ぐらいよくなった。

だてに偏屈作家と結婚生活を営んでない? 笑

*
このドラマ、
CMを抜いてスクリーンで見ました。
普通はテレビドラマだと違和感があるんですが、
(やたらと人物がデカくて間の抜けた感じ)
この作品は違和感ありませんでした。

むしろしっくりきていました。

人物やモノとの距離感がとてもいい感じでした。


***
僕のような中年のドラマ好き映画好きに
一条の光明を示してくれました。

あまりのデキの良さにほんとに驚いた。

年配の熟練工が腕によりをかけ、
丁寧に作った一品。
という感じ。

またぜひやってくださいね。

*
十代の頃から馴れ親しんだ鎌田敏夫ワールド。
なので感覚的に理解できます。
馴れ親しんだ人物造形とその世界なので。

がそれを文章にするのは大変でした。

感覚的に理解できてることを
改めて言葉にするって大変なんですね 笑



番組公式HP
http://www.tbs.co.jp/shuchakueki-twilight/

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終着駅―トワイライトエクスプレスの恋
ドラマとしては、中山美穂、じつに10年ぶりの主演、だったのですね。 ...続きを見る
のほほん便り
2012/04/12 14:39
終着駅〜トワイライトエクスプレスの恋 中山美穂 佐藤浩市
どうも、ベースになってるのは30年前の「雨の降る駅」。 (田村正和+大原麗子) わかれるつもりとはいえ、うちにケータイ置いてっちゃまずかろうミポリン。 車窓からの夕日を見ようと座席 ...続きを見る
.net.amigo
2012/04/13 11:27

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